顔面神経麻痺

・顔面の片側に急性に発症する末梢性顔面神経麻痺の内、原因不明のベル麻痺が約7割を占め、ヘルペスウイルスなどが原因となるハント症候群も2割程あります。年齢や性別を問わず発症し、感染、過労、寒冷刺激等が誘因となり、症状としては額のしわ寄せ不良、兎眼(閉眼不能)、口が閉じず食べ物がこぼれる、口笛が吹けない等の症状を生じます。表情筋の障害以外に、舌の前2/3の味覚障害、聴覚過敏、涙分泌低下なども併発します。

・ベル麻痺は7割で自然回復しますが、13%で軽度の後遺症、16%で機能障害が残存するとされ、共同運動障害やワニの涙現象等が残る場合があります。鍼灸治療では発症から1か月以内に開始した場合には完治する可能性が高く、3ヶ月前後では軽微な後遺障害が残り、6ヶ月以降では感覚的な改善はあっても、外観の明らかな回復は難しくなるケースが多くなります。

・当院での末梢性顔面神経麻痺の鍼灸治療は15年以上、100名近くの実績があり、回復が順調で無い患者さんに対し、最大限の回復が得られる治療方法を確立していますので、耳鼻科で回復がやや悪いと診断されたら、速やかに針灸治療をご検討ください。

2019年09月23日