針灸院ブログ

サイト管理人のブログです。

ブログ一覧

眼瞼けいれん

・眼瞼けいれんは目周囲の眼輪筋が過度に収縮することで、無意識に過多の瞬目(まばたき)を起こす症状です。瞬目過多、強い羞明感(まぶしさ)、眼を開けられない、眼の不快感や乾燥感などを生じ、重症例では口輪筋などの運動障害もみられます。概ね4割の症例でドライアイを合併し、向精神薬や抗不安薬が原因となる場合も有ります。また、口・舌・咽頭・頚部のジストニアを伴う症状は、Meige(メージュ)症候群と診断されます。

・眼瞼けいれんに近い症状として、目の周囲が数秒間ピクピクと不規則にけいれんする眼瞼ミオキミアがあります。疲労やストレスで悪化しますが、多くは数週間で自然に収束します。

・千秋針灸院ではボツリヌス療法などに頼り過ぎず、軽症例では治癒や改善を目指し、中等度から重症例についても注射の頻度を減らしたり、眼瞼けいれんを軽減する効果が得られています。ボツリヌス療法に対しての不安や無効例、副作用がある場合など、当院の針治療もご検討いただけたらと思います。また眼瞼ミオキミアについては自然に治ることも多いのですが、針治療により循環改善や疲労回復を促すことで治癒し易くなります。多くの場合に初回治療後から目が開く等の実感があることが、当院での鍼治療の特徴です。

2024年05月14日

糖尿病網膜症

・糖尿病により網膜の毛細血管が痛み出血や新生血管が生じる病気で、糖尿病の罹病期間が長いほど、またHb-A1c値が高いほど網膜症の発症リスクが高まります。眼の異常を自覚できるのは進行した増殖網膜症からという場合も多く、手術をはじめ様々な治療法を駆使しても視機能の回復は難しい疾患です。糖尿病の眼への合併症としては網膜症の他に白内障、虹彩炎、調節障害や外眼筋麻痺などがあります。

・当院での緑内障への鍼治療は20年以上、100名を超える実績があり、眼科医主催の研究会等で統計症例報告を行っています。

・当院の鍼治療では目周囲の血流改善により、増殖網膜症の末期である網膜剥離が起こる前であり、基本となる血糖のコントロールができていれば、視力をはじめとした視機能の改善や維持は比較的容易です。レーザー(汎網膜光凝固)を極力避けたいと希望される患者さんも多く来院されます。増殖網膜症が進んだ末期段階では、とにかく失明を避けるための治療や、血糖のコントロールが十分に行われるまでの時間稼ぎが目的になることがあります。

 

2024年05月14日

網膜静脈閉塞症

網膜中心静脈閉塞(CRVO)
・視神経乳頭部位での血栓形成により網膜静脈が閉塞する疾患で、視力低下や変視症(暗点や視界内の歪み)などを伴います。多くの症例で黄斑浮腫を伴い、血管新生緑内障を合併したり硝子体出血を起こすこともあります。

・眼科では重篤な場合には、汎網膜光凝固(レーザー)を黄斑部付近を除いた網膜全域に行います。浸出液漏出部位へのレーザー光凝固、ステロイド剤投与や抗VEGF(アイリーアなど)、抗凝固薬や止血薬なども用いられます。

網膜静脈分枝閉塞(BRVO)
・網膜動静脈交叉部での血栓形成により網膜静脈が閉塞する疾患で、視力低下や視野欠損、変視症を伴います。黄斑部に障害が及ばない症例では視力の回復は良好ですが、変視症が残ることもあります。

・眼科では網膜無灌流域に対して光凝固を行い、硝子体出血や新生血管の発生を予防します。また、新生血管が生じた場合や黄斑浮腫に対しては、抗VEGF硝子体内注射が主流です。

・千秋針灸院では網膜虚血を改善して新生血管の発症を防ぎ、黄斑浮腫を遷延化させないことや、視力や変視症(視界内の歪みや暗点)を改善し、長期間良好な状態を維持することを目標に針治療を行っています。多くの患者さんは網膜の状態が改善することで、抗VEGF硝子体内注射を続ける必要が無くなっています。

2024年05月14日

緑内障

・緑内障とは高眼圧などにより眼底の視神経乳頭部での変化や、中心性もしくは水平性に視野の欠損が起こる病気です。緑内障は開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、続発緑内障、発達緑内障、小児の続発緑内障に分けられ、正常眼圧緑内障を含めた開放隅角緑内障が最も多くの方で発症しています。

・当院での緑内障への鍼治療は20年以上、200名を超える実績があり、眼科医主催の研究会等で統計症例報告を行っています。

・千秋針灸院では緑内障性視野障害について、眼科での視野検査結果のMD値などからトレンド解析を行い、中長期の視野の状態を客観的に評価しています。この結果、針治療を開始してからの進行が抑制されたり、半数程度の患者さんでは改善さえ見られることが分かりました。眼圧を下げる点眼薬に加えて、針治療を導入することにより、長期的な視野障害の進行が抑制されることが期待できます。

 

 

2024年05月14日

アトピー性皮膚炎

・アトピー性皮膚炎は、再燃を繰り返す掻痒感を伴う湿疹病変を主体とする疾患です。症状は左右対称が多く慢性化する傾向があります。皮膚科での治療は皮膚症状に対してステロイド外用薬、プロトピック軟膏、保湿剤、抗アレルギー剤等が用いられます。アトピー性皮膚炎の患者さんでは顔面部にかゆみの強い方も多く、目のトラブルや緑内障、白内障を合併する可能性もあり、ステロイド外用薬による副作用も少なくありません。

・ステロイド外用薬の長期使用は、結局のところアトピー性皮膚炎を治癒させる効果は無く、「その場しのぎ」の治療です。使い続けることで皮膚が本来持つ感染からの防御性を始め、皮膚の健全性が損なわれる問題が表面化します。

・当院はアトピー性皮膚炎への鍼治療は15年以上・100名前後の実績があり、時間はかかるものの効果は分かり易い疾患です。特に繰り返し再燃している方は、じっくりと時間をかけて治療に取り組まれることをお勧めします。最初は週1回程、症状が改善・安定してからは隔週1回などと治療間隔を徐々に空け、完全に軽快した場合は終了した方もあります。(重症な場合には、週2回から始めることもあります) 完治までは至らない方で、長期に渡り継続される方の治療間隔は、概ね隔週1回~月1回となっています。

2020年02月11日
» 続きを読む