クローン病

・原因不明に主に10~20代の若年者に発症する慢性炎症性肉芽腫性疾患です。病変は口腔から肛門までの腸管全域で発症し、全層性の潰瘍、炎症性ポリープ、肛門病変、口内炎など様々な病変が見られ、進行すると狭窄や腸閉塞症状を生じます。吸収不良症候群であるため高カロリー、高蛋白食がとられ入院安静が必要になります。一年内再発率70%、三年内再発率90%以上とされています。

・クローン病は30年以上に渡る私自身の持病であり、事実上治癒(完全緩解)した経験を基に適切なアドバイスが可能なことから、現在まで100名を超える患者さんを診療してきました。

・千秋針灸院には多くのクローン病の患者さんが来院されますが、じっくりと治療に取り組まれた比較的軽症の方では、治癒(完全寛解)するケースが半数程度にもなります。また就職や転居、結婚など生活環境が大きく変わる場合では、症状が良くも悪くも変化することを経験します。生活環境が変わることで腸内細菌叢が変わり、クローン病に影響することが考えられます。針灸治療やメンタルな部分でのクローン病との関わり方に加えて、腸内環境を良い方向に変えることで、これまで以上に完全寛解に近づくのではないかと期待しています。

2019年07月30日